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内柴正人被告の初公判の全容(5)法廷に響く女性の笑い声 内柴被告は目頭押さえ

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内柴被告は中央の被告人席に立ち、検察官の提示する証拠を確認していく。
傍らには、弁護人が付き添っている。

検察官「甲39号証です。…甲40号証」


内柴被告が確認を終えると、鬼沢友直裁判長が内柴被告へ「元に戻ってください」と促す。


検察官「次は防犯カメラの映像を映します」

裁判長「DVDお願いします」

検察官「データが重いので、なかなか再生できません…」


検察側の席を隠す衝立の奥で、ガチャガチャ音がする。
再生に手間取っているようだ。30秒ほどして、映像が再生される。


内柴容疑者は直立姿勢のまま、うつむき、被告人席に設けられた小型モニターをじっとのぞき込む。
筋肉でぱつぱつに張っている白い半袖ポロシャツの広い背中が、静かに前のめりに曲がっていく。


傍聴席には映像が流れず、音声だけが漏れ聞こえてくるだけ。
法廷には、低音のドンドンというリズムに加え、時折、女性の声だろうか「キャハハハ」という軽快な笑い声が上がる。

検察官「今、ずーっと店の奥に向かっているカメラを再生しています」


検察官は防犯カメラの映像に登場してくる同席していた大学の後輩の名前らを説明していく。


検察官「これが被害者ですね」


傍聴席はせき払い、ひとつなく静まりかえって耳をそばだてている。


検察官「これが被告人」


内柴被告はじっとモニターをのぞき込んでいる。


検察側は、次に別の角度からの映像を映し出す。
なかなか再生できず、手間取っているようだ。
内柴被告は検察側の席を眺めている。


1、2分たってようやく入店時の映像が流れ始める。
内柴被告は、今まで以上に顔をモニターに近づけて、映像に見入る。


検察官は再び、映っている人物がだれなのかを説明していく。


検察官「端っこに映っている黒のシャツの方が被害者です」


内柴被告が右隣で一緒にモニターをのぞき込んでいた弁護人に顔を近づけ、何かを耳打ちする。


検察官「被告人が入ってきました」


検察官は、耳打ちする内柴被告を意に介さず、淡々と映像に登場する人物を説明していく。


内柴被告が再び、弁護人に何かを耳打ちする。
直立の姿勢を崩し、両手を被告人席の卓につき、顔を近づけてモニターをのぞき込む。


内柴被告が弁護人に再度耳打ちをすると、弁護人が数回うなずく。
傍聴席からは何も分からない。
傍聴人たちも緊張の糸が切れてきたのか、時折、せき払いが漏れ始めた。
内柴被告は再び直立の姿勢に戻っている。


検察官「被害者と被告人が出ていきました」

「被告人を捜して、(柔道)部員2人がカラオケ店から退店後、戻ってくる状況です」


店に出入りを知らせる「ピンポーン」というチャイムが鳴るのが分かる。笑い声が聞こえる。


検察官「以上です」


防犯カメラの映像が終わり、内柴被告は裁判所の職員に左右を挟まれ席に戻る。
鬼沢裁判長が閉廷を告げる。
表情からは緊張も困惑も、不安も読み取れなかった内柴被告だったが、閉廷直前には目頭を押さえる場面もみられた。

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内柴正人被告の初公判の全容(4)気づいたらベッドの上で…検察側は合意を否定

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裁判長「争点は同意があったかどうかです」

裁判長が裁判の争点と今後の審理日程を説明。裁判は検察側の証拠調べに入る。


検察官が証拠をひとつひとつ読み上げる。
犯行に使用されたとされるホテルの部屋の写真や被害者の衣服の写真も証拠品として採用された。


検察官に写真を確認するよう求められた被告は立ち上がって、写真を確認する。
時折うなずくなど落ち着いた様子だ。


検察官の証拠調べは、犯行当日一緒に飲食をした被害者の友人や先輩の供述調書に移った。
飲酒時の様子や、被害者が友人らに被害を訴えた際の様子が明らかになる。


まずは被害者と一緒に焼き肉店に行ったという友人の証言。
検察官が供述の要旨を読み上げる。


検察官「先輩に誘われ、焼き肉店に行きました。
ビールやワイン、焼酎を飲みました。
友人と『今日は酔いが回りそうだね』と話し、店の畳の上で寝ていました」


検察官「カラオケでもソファで寝たりトイレで吐くなどしていました。
被告と被害者などがいなくなったので、部屋のドアをノックしたりコンビニなどに探しに行きました。
その後、友人と事件のことを聞きました」

被害者を食事に誘ったという先輩の調書も読み上げられる。


検察官「コーチから食事に誘われ、被害者と別の後輩を誘いました。
酔っ払ってカラオケの記憶はありません。
ホテルで寝ていたところ起こされました。
被害者が泣いて『先生からやられた』と聞きました」


この先輩は食事に誘った責任を感じ、被告に事実関係を確認することにした。


検察官「被告はとぼけている様子でしたが、『(被害者が)誘ってきた』と話しました」


被告が被害者と話がしたいと求めたところ、被害者はいったん「無理です」と拒否。
その後、2人で話をして翌日には、被害者は落ち着いた様子で「すみません。もう大丈夫です」と話したという。


検察官「翌日、バスに乗ったところ(被告から)『昨日はごめん』というメールが届きました」


食事に同席した別の友人の供述調書。


検察官「7人でホテル付近で飲食をしました。
被告の姿が見えないので、被害者の部屋をノックしましたが応答はありませんでした。
中からはテレビの音が聞こえました」


検察側は被告らが飲食した焼き肉店とカラオケ店のレシートなども証拠として提出している。
カラオケ店のレシートからは午後11時42分に入店し、被告が午前1時55分にいったん退店したことが明らかにされた。


引き続き、被害者の友人らの供述調書の読み上げが続く。
被害者の友人が被害を打ち明けられた様子が語られる。


検察官「部屋で寝ていたら被害者が部屋に来ました。
目を真っ赤にして『うち、やられたわ』と言いました」


この友人と同部屋で寝ており、一緒に被害を打ち明けられた友人の供述調書も読み上げられた。


検察官「友人と同じ部屋で寝ていたら被害者が来て、『先生にやられた』と泣きながら打ち明けられました。
先輩に相談し、被害者の彼氏にも電話をしました」


検察官「被害者に『彼氏に言わなくていいの?』と聞いたら、『言った方がいいかな』と言うので電話をしました」


友人は被害者の交際相手に被害者が酔いつぶれていたことを説明し、「(被害者を)責めないで」と訴えた。
交際相手は無言で話を聞き、被害者を地元へ帰らせるよう求めたという。


被害者から事情を聴いた友人らから相談を受けたという先輩の供述調書も読み上げられた。


検察官「午前4時すぎに被害者らが部屋に来ました。
被害者の友人が『(被害者が)被告にやられた』と言いました。
被害者は『気づいたらベッドの上でやられた。
大声で叫んだがテレビの音を上げられた』と話しました」


検察官「被告に事情を聴いたところ『あっちが誘ってきた』と言いました。
いつもの明るい被害者ではなく、泣いたと分かる目で暗い顔をしていました。
(被害者を食事に誘った先輩は)『飲ませてごめん。止められなくてごめん』と泣いていました」

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内柴正人被告の初公判の全容(3)「めっちゃへたやった」弁護側は合意の上を強調

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弁護人は内柴被告と被害者の女子部員との性交時の様子を説明する。


弁護人「Aさん(被害者)は性的興奮からあえぎ声を上げていました。
廊下から部屋のドアをたたく音がしたので、被告は性交を途中で止めてベッドの脇に隠れ、Aさんに外の様子を見るよう頼みました」


部屋の外には女子部員の友人らが内柴被告を探しにきていた。
女子部員は『(内柴被告のことは)知らない』などと答え、2人は性交を再開した。


再び、ドアをたたく音がした。
内柴被告は被害者にもう一度部屋の外を確認するよう頼んだが、「めんどくさい」と断られたことから、内柴被告自らがドアスコープを使って外を確認した。


弁護人「(被害者の友人の)Bさんがドアをたたいていました。
Bさんはどこかへ行きましたが、気になったので性交をやめようとして、被告は服を着て部屋の外へ出ました」


その後、被告はカラオケ店へ行って他の部員らと合流しようとしたが、カラオケ店にはだれもいなかった。
被告は午前3時16分ごろにホテルに戻った。

早朝、被害者から事情を聴いた他の部員から「Aがやられたといっている」などと追及を受けた被告。
当初は性行為そのものを否定していたものの、「積極的に求められた」などと行為を認めた。


その後、被告が被害者に電話で部屋に来るよう求めたところ、女子部員は被告の部屋を訪れた。
他の部員らを部屋から出し、2人の話し合いが始まった。


弁護人「2人は床に座って会話を交わしました。
Aさんは交際相手のことを気にしているようでした。
2人で練習を休むことを決め、一緒に部屋で寝るなどしてチェックアウトまでの時間を過ごしました」


弁護人「ホテルを出た2人はファミリーレストランで食事をしました。
Aさんが寮を出て友人宅に泊まるのでお金を貸してほしいと言うので、被告は5万円を渡しました」


その後、被告は被害者に「柔道部を辞めるな」などと話しをして、他の部員と一緒にバスに乗って大学に戻った。


弁護人「バスの中でAさんは友人に、(内柴被告との性交について)『めっちゃへたやってんけど』などと苦笑して話しました」


弁護人は女子部員が被告との性交を友人らに伝えた様子を再現する。
他の友人にも「むかつくからやってやった」「いらいらしてめんどくさいからやった」などと語ったと指摘した。


一連の冒頭陳述から弁護人は性交が合意のうえで、準強姦罪にはあたらないと主張した。


弁護人「合意のうえの性行為で準強姦などはしていません。無罪です」


弁護側の冒頭陳述が終わった。

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