
浪人すれば、来年のドラフトでの指名が可能ではある。![]()
社会人なら2年後、米球界なら3年後となる巨人入りの可能性が最も早く開ける。
菅野周辺が浪人を視野に入れているのはそのためだ。
が、浪人となれば、公式戦はもちろん、対外試合もできない。実戦から離れるこの1年間のブランクは、周囲が考える以上に大きい。
今は母校の中大野球部を率いている高橋善正監督がかつて、こう言っていた。
高橋監督はあの江川卓が法大卒業後、1年間の米国浪人を経て「空白の1日」という掟破りで巨人入りした際の投手コーチである。
「キャンプで最初に見たとき、これがあの怪物江川か!?と思った。
ブルペンで投げさせても、ボールが来ない。球威もなけりゃ、キレもないんだから。
1年間のブランクというのは、これほどまでに選手を退化させちゃうものなのか、と愕然(がくぜん)としたね。
でも、考えてみりゃ、そうだよ。キャンプのブルペンで投げ込みをして肩と体をつくっても、紅白戦で投げれば筋肉はバリバリに張る。
オープン戦で敵を相手に投げればまた違った張りが出るし、準備を重ねて公式戦に入れば紅白戦、オープン戦とは比べものにならない疲労が出る。
1年間、どんなにストイックにトレーニングをしたって、実戦や真剣勝負で得られる体の芯を鍛えるって効果は得られないってこと。怪物と言われたあの江川をしてそうなんだから、ブランクというのは怖いよ」
1年目の江川は開幕から2カ月間の試合出場自粛というハンディがあったとはいえ、9勝10敗という平凡な成績に終わった。
高橋監督は「類いまれな才能を持った江川が9年間135勝で終わったのは、法大時代にフォームを崩したことと、結局はプロ入りに遠回りしたあのブランクが大きかったと思うよ」と言っていたものだ。
祖父の原貢氏をはじめとする周辺の大人がやろうとしていることは、巨人の沢村以上といわれる菅野の才能を潰すことではないか。