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ヤマダ電機はなぜ凋落したか

【送料無料】ヤマダ電機の品格 [ 立石泰則 ]
ヤマダ電機の品格

家電量販店最大手のヤマダ電機が全役員の降格を発表した。
創業者の山田昇会長(70)が5年ぶりに社長に復帰し、一宮忠男社長(57)は副社長に降格。
それ以下の14人の取締役は全員が1段階ずつ降格するという前代未聞の懲罰人事だ。

それもそのはず、ヤマダ電機は業績不振が著しい。
2013年3月期の売上高は1兆7040億円の見込み。
10年3月期に売上高が2兆円を突破し、3兆円の目標を掲げた勢いはない。
家電エコポイントと地上デジタル放送移行に伴う需要の先食いの反動で家電全体が低迷気味だが、ヤマダ凋落の理由はそれだけではない。

第一に、ベスト電器の買収失敗がある。
九州でのシェア拡大を狙って昨年子会社化したが、これが裏目に出た。

かつて業界トップだったベストの凋落は目を覆うばかり。
13年2月期の連結売上高は前期比27%減の1912億円と大きく落ち込み、当期損益は173億円の赤字。

「ベスト全店の3月の売り上げがたった70億円しかなく、ベスト各店の看板をヤマダ電機に差し替えることをやめてしまったほど」(業界関係者)

売り上げ増と東南アジア進出のノウハウを手に入れるためのベスト買収は、一転して、重荷になってしまった。

もうひとつの敗因は「中国」である。
華々しく進出したが、結果は散々。
昨年3月にオープンしたばかりの南京の大型店は5月末に閉鎖。
瀋陽店、天津店以外の新たな出店は凍結した。

「役員会で喋るのは山田会長ひとり。他の役員は何も言えない。
中国進出でも第1号店から状況は悪かったのに、止めようと言えないまま、ずるずると出店を続け、深手を負った」(ヤマダの元幹部)

後継者問題も燻る。
一度は取締役を解任した長男の傑氏(38)を昨年、取締役に復帰させ「山田会長は『やはり後継者は傑しかいない』と社内で公言しだした」(ヤマダ電機関係者)という。
来年の消費税増税で家電市場は一段と冷え込む。
ガバナンスを喪失したヤマダの前途は多難だ。

役員一斉降格で責任を明確にしたつもりなのだろうが、超のつくワンマン企業で経営責任を取れるのは山田会長1人しかいないはず。
企業も魚も頭から腐るのは同じである。

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